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【おばあちゃんの重なり】念珠ストーリーepisode1

投稿日:2017年3月25日 更新日:

念珠ストーリー Episode1

【おばあちゃんの重なり】

 

祖母は、厳しい人だった。

《もう少し優しく生きられないのかな》と

幼子ごころに、思っていた。

 

踊りの師範で、いつもキリッとしてして

お作法や言葉遣いに、厳しく、

祖父にも、父母にも

きつい言いまわしで高圧的な態度に見えた。

女としてこんな風になりたくないと思った。

 

そんな祖母がとても嫌でたまらなかったし、

正しさなんていらない

可愛らしさが欲しい   そう反目した。

 

 

そんなあるとき、祖父が亡くなった。

 

不慮の事故で、突然のことに

身内の誰もが動揺を隠せない。

 

納得とか、諦めなんていうものが

どこを探しても見当たらない中で、

無言で動かない祖父と対面することになり

 

家族の死を受け入れるなんて

あの状況では皆が無理な話だった。

.

その時の祖母は、

わたしの知っている

いつもの祖母ではなかった。

 

髪の毛を振り乱して声を震わせ、

「死んだんですか?!」と

医者に詰め寄り、やがて、祖父の遺体の前で

へなへなと座り込んだ。

 

《あいしてたんだ。。。》

 

その一連の祖母の姿に  ものすごく 驚いた。

 

 

それからというもの、祖母は

祖父の陰膳に毎日手を合わせて、

祖父の大好きだったチョコレートを

いつも切らさずに仏前に供えていた。

 

寂しい心を包むような色のお念珠を手に

そっと、そっと手を合わせながら。

あの頃の厳しかった祖母は

どこにいってしまったんだろう。

 

祈る姿は、どこまでも優しくて

頼りなく、びっくりするほど小さく見えた。

 

わたしが知らなかっただけで

祖父の前ではこのひとは

可愛い女だったのかもしれない。。。

そう思った。

 

.
その祖母がほどなくして

後を追うように亡くなった後、

形見になったお念珠には

その柔らかい薄桃色に似合わず

チョコレートの香りが染みついている

みたいだった。

.

そして、何年か経ち、成人したわたしは

自分のためにお念珠を買った。

.
自分のために、素直に祈っていいんだ、

ということを知って、

どうしても欲しくなった綺麗な深い赤。

 

祖母の念珠の色合いとは対照的に濃くて

はっきりしていることに

天邪鬼な自分がいるようで可笑しかったが

手に持ってみたとき、これだ!と感じた。

 

お念珠って、不思議だ。

自分で、決めて選ぶことで

祖母でもない、母でもない

私の人生を再出発するような気持ちになる。

当たり前のことだが、それを、改めて思う。

.

気がつけば、人にも自分にも

厳しく生きてきた気がする。

《もう少し優しく生きられないのかな》

それを、今度は自分自身に向けることに

なるなんて。

.
念珠を買った時に、先達さんから

供養について教わった。

 

忘れないことが供養なんだよ

 

「ご先祖さまの名前を呼んで、一緒に聴いて

もらうんだよ。そこで自分の願い祈りを

してごらんなさい。

『この子の幸せのために』と喜んで

動いて下さるよ。

あなたが幸せに生きることが

何よりの供養になるんだよ」

.
《そうかぁ》と素直に思えた言葉。

 

思わず帰ってから祖母の遺した念珠を

引っ張り出してきて眺めてみた。

.

自分の念珠に、形見の念珠を重ねてみる。

二つの色のグラデーションがなんだか

泣けるほど心強くて、涙が出てくる。

.

「あんたの信じる幸せを生きなさい。

思ったように生きて。

応援しているからね。」

.
祖母のキビキビした声で言われた気がした。

.

「おばあちゃん。。。」

わたしも実は愛されていたのかもしれない。

いまも、見ていてくれるのかもしれない。

お詣りに行くときは、二つ重ねて

素直にわたしのことを祈ってみよう。

 

心細いときは、二つ重ねて

見守っててね、って手を合わせてみよう。

.
重ねてつかえるのは、すごく嬉しいこと

なんだなぁと思ったら、

 

 

合わせた手元から

チョコレートの香りがふわっと、届いた。

 

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