【祈りの化身】
生々しい、この生きた体は
一呼吸、ひといき、ひとはきに
祈りがそっと宿る。
心音の鼓動、ひとうち、ひとうちに
祈りが確かに響く。
実体があるということがすでに
生きるという自らの祈りの化身だ。
星の数ある祈りの中でも
触れることのできる祈りのカタチだ。
大切に触れて、宿る祈りが光っていく。
大切に触れられて、響く祈りが波紋する。
大切とは
<大いに切迫する、緊急を要するさま>
かけがえのない、最優先にしたいもの。
限りある、生々しい瞬間の愛おしさのこと。
私たちはすでに、祈りの化身なのだから
大切に触れてゆこう。
埃を払うように光らないものを落とし
上乗せした響かないものを拭き取り、
大切に触れ合ってゆこう。
祈りのカタチ、大切に、触れ合っていこう。
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記: 松本育子
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