日本の色彩は まことに美しい、
美しいがゆえに、はかなく、複雑な想いをはらむ。
GenJewelryをご贔屓にくださってるお客様から
すみれ色のブレスレットが欲しいとご依頼を頂戴しました。
一言ですみれ色といっても、一色そのままに該当する石が無い。
紫だから、単刀直入にアメジストを使えばいいが、
ムラサキが濃すぎる。
ラベンダーアメジストは藤の花を遠目で観た色彩であるし、
いずれを使うのも躊躇して、
今年の春の巡礼の途中に
畔（あぜ）に群生していたヒメスミレを思い出してみた。
花というのは一色で できていない。
たくさんの近似色が点で、線で組み合わさってできている。
だから、すみれ色のというお客様のご意志を、
近似色の粒で表現してみることにした。
アメトリンのグラデーションと、タンザナイトの青みがかった紫。
この組み合わせで、見事にヒメスミレが表現したいだろう、色彩になった。
人の心も一色ではなく、いろんな色彩が組み合わさって発信もするし、
受け取ることもする。
お客様の色彩感覚、つまり「心の色彩」がべた塗ではなく、
常に豊かでありますように。
そんな像意（しょうい）が、ひとつの輪になった作品が完成した。
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