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フォト巡礼レポート 東照宮の勘違い

投稿日:2022年9月1日 更新日:

このままいっそ
君を落として、俺も落ちようか。
この色彩の中に紛れてしまえば
なあに、だあれもこっちを見ない
だあれも気づかない。
そんないい加減な思いつきで、君の方を向く。

すると、さっきまで寄り添っていたはずの君が
視界から消えてしまってる。
大慌てで周囲360度を3たび半ほど見回すが、
あれれ、君がいない。
いないいない。
塔の下にも、回廊の壁にも、
門の前にも、石橋の上にも、
どこにもいない。

なんで手をつないでおかなかったのだろう。
この一瞬で 自分で描いていた勘違いに後悔している。

手なんて、こっぱずかしくって繋げなくって、
常に俺の後をしずしずと付いてくる君に安心しきってた。

振り返れば、
落とすなんて、大それたファンタジーだった。
落とすって、君に対する言葉使いが間違ってるかもしれない。
君が落ちたら、俺も落ちようってのも勝手が過ぎる。

元より、俺は君の告白は聴いたが
俺の気持ちは生返事で、中途半端なまま、
そのまま置いておいても、
君の告白状態が続くものだと信じていた。

だろう、なかろう、は
霧のように消えてゆくものだ。

このあふれる色彩の中で、
俺は君を見失った。

しかし君は
俺を見なくてよくなった。

女人の疑心は
男子の傲慢を超える

東照大権現


 

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