お客様の声 ブログ 巡礼のおはなし

■ 反面教師

投稿日:2018年4月11日 更新日:

.
親を信頼して生きることができなかった人々。
.
それは本当に哀しいこと。
.
自分で道を切り開かなければならなかったから
生きてゆくのがものすごく大変だった。
.
でも、その憤り、不安、失望がその人を強くした。
その人に降りかかったあらゆる体験が
その人の道徳観や責任感、使命感を強くした。
それは確実にその人の力になった。
.
それは、誰のおかげ?と考えたとき、
あくまでもその人の自らの力ではあるけれど、
よりズームアウトして眺めてみると
それは「ダメ親」のおかげなのだ。
.
これぞ「反面教師」
.
でも、反面であれ「教師」であることに変わりはない。
.
そんな「ダメ親」ですが、
ご先祖さまからは有難がられ、
しっかり守られているそうですよ。
.
なぜって?
.
その子をこの世に誕生させたから。
.
「ダメ親」のおかげで
子が「しっかり立った」から。
.
田中一人さんから聞いたお話です。
.


.

.
私は、父の生き様から
「どんなに才能があっても、
どんなにいい仕事をしても、
どれほど人から評価されても、
自分の評価をすべて人に委ねてはダメなのだ。
自分で自分を評価しなければ、幸せではない」
ということを強烈に学びました。
.
同時に、人との繋がりを大切にしなければ、
孤独で寂しい人生になるということも強烈に見せ付けられました。
.
思えば、ものすごい教えを頂いていたのですね。
.
反面であれ、教師であることに変わりはない。
.
「親は、正しい教えでもって子を導かなければならない」
という固定観念に邪魔されていましたね。
.
父を卑怯だと憤り、責めてきた時期を経て、
こんな親だったけど、
それは哀しいことだけど、
そこから私は多くを学んだ、と
今まで捉えてきていたのですが、
また、私の物語が書き換わりました。
.
「こんな親だったから・・・」ではなく
「あの父のおかげで」今の私があるんですね。
.
不器用だけど、嘘なく生きてきた人であることは紛れもない事実。
.
中学生のとき、この写真好きだなぁ…と思って眺めていた
とある出版社の広告の写真が、父の作品だと知ったとき、
本当に驚いたっけ。
.
子は、勝手に親の背中から学ぶべきものを学んでいく。
.
だとしたら「親として」ではなく
「自分として」ただ信ずる道を進むのみ、だなと
改めて思う6月の夜。
.
この季節、いのちの成長のために必要な潤いがそこここに溢れていますね。
.


.
親と子の回想録 田中一人

-お客様の声, ブログ, 巡礼のおはなし
-, ,

執筆者: