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【巡禮記遠足リフレイン】庚申という信仰

投稿日:2020年4月4日 更新日:

日本の食料がまだ、輸入を必要としないでも成り立っていたころ、
町、村落単位で庚申(こうしん)という信仰がありました。

もちろん今もふとしたところに、その石碑やお堂が残っているので
それが宗教色のあまりない「民間信仰」であったということが偲べるのですが、
僕の年代も含めたほとんどの人が、それが何なのかってことを知りませんので、
超簡単にお話しします。

もとより、この庚申塚と呼ばれる信仰の対象となっている場所には
地蔵さまや馬頭観音さま、九州では恵比須様も共に坐っていることも多く、
地域差、形態としてあまりにも多様で、すべてを説明すると何ページにもなりますので、
単純に庚申塚・堂に祀られている仏さまのことについてお話しますね。

この仏さまは、青面金剛(しょうめんこんごう)様と呼ばれ、
道教由来の夜叉神(やしゃがみ)です。
もともと疫病を振り撒く「鬼」であったのを、
観音様に諭され、教化されて、疫病を知らせる仏さまとして転身され、
信仰のある人々に頼られることで、そのお役目を修行としてこられたのです。
ご仏体は、ぱっと見、馬頭観音様にとても良く似ています。

日本がまだ食料を輸入に頼らなくてもよかった時代、
日本のほとんどの人口は農業に従事していて、からだ資本だったわけで、
何よりもその労働力を根こそぎ無きものにする疫病が一番の懸念でした。

次に天候、風水害、地災地変なども農業への影響が大きかったですから、
今のように「予報」というものがなかった時代、
やはり神仏を頼みにして、打開、解決してきたことはいうまでもありません。
そして、今の私たちが生まれ、生きています。


▲阿佐ケ谷南口、パール商店街の青面金剛碑(右)元禄4年(1691年)

で、すべてが便利になり、農業人口も激減し、
手に余るくらいの情報が簡単に入手できるようになった現代、
青面金剛さまの助けなんて必要なくなってるはずなのに、
どうして各地に庚申塚が残っているのかと言いますと、

今回の新型コロナ肺炎の災禍を鑑みるとき、
この庚申さまの存在が有難いものとしてクローズアップされてこないでしょうか?

青面金剛さまは観音様の智慧に基づき、
疫病によって脅かされる人の世の救済を修行としている仏さまですから、
一日でも早く、世界からこの災禍が無くなりますようにと祈るとき、
まず庚申さまを訪ね、一番に自分自身、そして家族単位、地域単位の「無事」を祈願し、
その結果が世界に行き渡りますようにと手を合わせてみるのが先ではないかと思うのです。

庚申塚、意味がちょっと解ったら
訪ねてみましょう~

おん でいば やきしゃ ばんだ ばんだ かかかか そわか
(ご真言の意味を知っている方は、かかか、とありますから、地蔵菩薩の変化ということが解りますね)


 

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