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産土神(うぶすながみ)さまについて【スサペディア】

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まず基本的に、産土神(うぶすながみ)とは、
その人が誕生前後に住んでいた場所を鎮守している
神社の神様のことを言います。
つまり、その人が誕生前後に氏子であった氏神様のことです。

巡礼まんだらの「信仰環境」を書く欄で、
産土神様を記入してくださいとなっておりまして、
最近、産土神様の見つけ方について質問を寄せていただいております。

ですが、よくお話を聞いておりますと、
皆さんいろんなところで産土様の定義を植え付けられていますし、
その見識が、はちゃめちゃで膨大な数になりますので、

ここで、巡禮記として、しっかりとご認識いただくために書き残しておきます。
とても物理的ですので、腑に落としておいてくださいね。

ちなみに、祈願神社や祈祷神社など、氏子を持たない神社は
氏神や産土神にはできない特別なお役目がありますから、
近くても産土神にならない場合が多いです。

● 胎児に魂を下ろすのが産土様のお役目

受精卵が細胞分裂を始めて、「ヒト」として機能し始めるとき、
それは一つの独立した「生命体」となるのですが、
その単なる生き物に「ヒト」としての魂を吹き込んで、
人として迎える森羅万象を祓い清めなさるのが、産土神様のお役目です。

たんなる生命体だけなのであれば、天涯孤独であっても
誕生したら勝手に捕食して育ってゆくのですが、
クラゲやトカゲのようには生れて生きることはできません。
もともと同じ単細胞なのにねぇ~
「ヒト」というのは厄介なもので、十月十日の短時間で人間の姿かたちをして、面倒見てくれー!って生まれてくるんです。

● 人は守護なしでは生きてゆけないって はじまり

つまり、人は、お母さんや、その周囲の人たちに
しっかりと守られなければ、すぐに消えてしまう脆弱な存在です。

ですから、神様はその生命体が、ご縁のある人や魂にしっかりと護られるよう、
「たましい」を吹き込んで、周囲との縁組みをしてゆくのが
祓い清めであると思ってくださればいいと思います。

● 「善」として生まれてくるように取り計らう

その時、その家庭の信仰の状況や、先祖や父母の人となりも考慮して、
下ろす魂を選んだり、周囲のご神仏様とも連絡を取り合ったりして、

その魂が「善」として誕生するようにと取り計らわれます。
(この「善」は人間の善悪の善ではありません。ご神仏様の中にある「善」です)

そうやって、十月十日お母さんのおなかの中にいる間に、
産土神様のお取り計らいでもって、
周囲との「縁」をもって生れてくるのが「人間」ということになります。

● 産土神社って、どこ?!だれ??

簡単に産土神様のお役目を説明しましたが、
ここまで来たら、自分の産土様が「どこにある宮」なのかってことが
解ってきたと思います。

もうこれで、「生まれた病院のある近くの神社」などという
狼狽してしまいそうなことをいう人はいなくなると思います。

そうですね、産土様ってあなたが、細胞分裂して、
人の形になり始めたときに、魂を入れてくださった神様なんです。

その時点の場所を、まず、ご両親の記憶から探してみてくださいね。

● どうしても、どこかわからない場合

どうしてもわからない方って、意外と多いんです。

たとえば、カトリックの方々の魂は、
マリア様とその使徒である大天使が下ろされます。

イスラムの方々はアッラーより魂をいただきます。

このように信教が違っても、人の魂の道筋は同じようなものです。

日本の場合、たくさんの名前の神様がいらっしゃって、それぞれ個別のお仕事をされていますので、特定が煩雑になるのですが、
どう探しても、情報が無くてどうしようもない場合は
本籍から探すのではなくて(誕生後移転してる場合もあるので)

そのばあい、熊野夫須美神(くまのふすみのかみ)
産土神に充てておけば間違いないと思います。

ご存知の通り夫須美さまは「産霊(むすひ」の代表的な神様で、
成仏に上がって、ばらばらに砕かれた人の魂を、再度、結び合わせるお仕事をされています。
つまり、胎児に下ろす魂の「製造元」だから、
その製造元を産土神といっても全く間違いではありません。

ただ、その人が身近に暮らしていないので、そのひとのご先祖のことや父母のことを
ご存じないだけです。
だから、夫須美さまも、その人も「わからない」ということが一致します。
そのわからない「素」ということを「善」として、
今後の縁を結んでゆくための祓い清めを「産土神」としてなさろうとします。
これはカトリックやイスラムが同じですね。

さて、今まで相談を受けた中で、どのような方がその代表かと申しますと、
旧、満州生まれの方たちです。

その場合は、今住んでいる近所の熊野権現を産土さま指定していただいて
間違いは起こりませんよ。

(ちなみに、日本に住んでいる人の総氏神は神宮(伊勢神宮)か、地域によっては出雲大社です。熊野権現ではありませんので、おとり間違えなきよう=)

● 産土神様に何をしに行くの?

産土さまって、少なくとも、あなたの魂のルーツをご存知です。
でもね、絶対それは教えてくださいません

たとえば、産土様にお参りすると、その時や、後日何か必ずメッセージがあると思うのですが、
そのなかに、
おまえは 魚屋になるのだーとか、大物政治家になるのだー
てなメッセージがあった場合は、すべてニセモノです。
その辺の雑霊や、それに憑かれた人がほざいているだけですので、信じちゃいけません。
神様は「予言」は絶対なさいませんので。

時間をかけて、自分のこれからのことをお話ししていますと、
ただ、ひたすら静かに初心に帰ることができます。
前述にもありましたが、神様は人の魂を「善」となるように下ろされますから、
人の魂をその「善」にもどそうと作用するためです。

● 産土さまの祓い清めのちから

これが、産土神様が、自分が魂を下ろした人が訪ねてきた場合に行う
「祓い清め」であると思っていただければいいと思います。

また、その祓い清めに沿って、ご先祖や、共にある他のご神仏様も動きを作られますので、
これからやろうとしていることに対する整理や、直面している問題への解決に際して、落ち着いて冷静に対処できるようになり、必ず実現できる力が出てきます。

● だから巡礼まんだらにお書き添えいただきたいのです

これほど人に対して、誕生ルーツに迫る、根本的な大きな祓いをしてくださる神様って、
産土様以外にないのではないかと思います。
巡礼まんだらに「信仰環境」をまとめる際に、きっとお書き添えくださいますよう。

以上、簡単に産土神様についてまとめましたが
本来は、その神社の「どの神様?」というのもあるのですが
それはまた別の時に。
その神社の主祭神さまを「産土神」として信仰いただければいいと思います。

善き産土信仰をなさいますように~

須佐厳 拝

 

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