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伝説だけでは終わらせない、あなたも受け取れる神仏の愛

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新年あけましておめでとうございます
2024年龍年がやってまいりました。
巡禮記も二人先達となって10年間の時を重ね
これから11年目の新たな積み重ねが始まります。

これからも聖地の先達として皆様を神仏のおわすところに案内し続けてゆくにあたって、
普段のご案内でもっと掘り下げて説明すればよかったと思うところがありますので
今回はそれをお話したいと思います。

● 人と神仏との愛のストーリー

それは、どのような聖地を訪れた時も
とても簡単に、人と神仏が取り交わした愛のストーリーを観ることができるということです。

それは鳥居や玉垣、そして灯篭などに刻まれた人の名前です。
戒名などに変わっていない、その人が生きていた時に刻まれた人の名です。

「私にはこんな夢があります!どうか叶えるための努力をさせてください」と吐露したその人の真摯な願いを
慈しみを持って祓い清めたり、智慧や人脈を提供することによって
その人の努力を引き出した神仏に対して、

ありがとうございます、これで頑張れます!と感謝を持って目標に到達した人は、
やがて、後継する者たちに、
ここの神様は、願いをかなえて下さった!智慧を与えて下さったんだと
その聖地に人々が集まりやすいように、自分の名を刻んだ鳥居や石灯篭を喜捨します。

おびただしい数のそれらは、神仏と人の間で交わされた愛情を超えた接点なんです。

● ご神仏のご修行と 人の修行の交差点

ご自身が坐ることによって、善き世になるようにとご縁つなぎや勉強をなさるのが
ご神仏のご修行。
ご神仏に願いを立て、善き世にすることを手伝わせていただき、豊かになることが
人の修行。

そんなことを考えますと
それはもう信仰を通り越した愛情のような関係性がそこに在るわけです。

たとえば伏見稲荷大社。
先達はよく、奥宮の横にある花王や電通が建立した巨大な鳥居を説明します。
それは著名な企業と、伏見のお山というシンクタンク様の組織とのつながりであるわけで、
稲荷信仰の仕組みを説明するには的確な物差しとなっているのですが、
ひとつ大切なところを説明してなかったことを反省しています。

● 稲荷大神と人が愛しあった痕跡もあるのだ

なんと、JR稲荷駅から伏見稲荷に進む入り口にそびえている最も大きな鳥居には、2名の名がひっそりと刻まれています。
この鳥居は、稲荷大神とこの人物たちとの間で交わされた愛の証なんです。

石碑や玉垣は、聖地の権威的なモニュメントではありません。
また、寄進者の買名工作でもありません。
信仰や宗教的な儀礼でもないと思います。
伝説として伝えられている聖地の縁起だけが全てではないんです。

助けていただき、愛していただいた聖地と人との、愛のストーリーなんです。

これからはそれを眺めに行くだけでも、おおきな学びになってくるような気がしますので
ご案内の時はできるだけわかりやすいストーリーでお伝えしてゆきたいと思います。

● それからもうひとつ

神仏を超えたようなふりをして、自分の正論を押し付ける人は、
化けの皮がはがれそうになったら、無責任にあなたの前からいなくなってしまいますが、

神仏は、たとえばあなたがこの世を去っても、あなたやあなたの家族の前からいなくなってしまうことはありません。

責任じゃないですよ、つまり、愛情の深さが全く違うんです。

巡禮記先達 2024 元旦

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